千鳥古墳群
古墳群歴史
一つの丘に、円墳も方墳も、木の棺も石の棺もある——千鳥古墳群は、まだ『お決まりの形』が定まっていなかった古墳時代中期に、さまざまな葬り方が試された『埋葬のショーケース』です。
この史跡について
千鳥古墳群(ちどりこふんぐん)は、古賀市千鳥にある古墳時代中期(4世紀後半〜5世紀前半)の古墳群です。福岡県教育委員会が県立高校を建設するのに先立ち、1984〜1986年にかけて発掘調査されました。円墳や方墳、木の棺を納めた墓や石の棺の墓など、さまざまな形の墓が一つの丘にまとまって見つかったことで知られます。
- 一つの丘に円墳(えんぷん)・方墳(ほうふん)、木の棺(ひつぎ)の墓も石の棺の墓もそろう、多様な埋葬の『ショーケース』。
- 第22号墳から見つかった金銅製(こんどう)の耳飾り。金メッキを施した銅製で、ハート形の下げ飾りが付く左右一対。
- 第22号墳の墳丘をぐるりと囲む、ドーナツ状の盛土『環状堆(かんじょうたい)』という珍しい造り。
- 前段階の調査で出土した円筒埴輪(えんとうはにわ)。古賀市内では埴輪を伴う古墳は数少ない。
- 木の棺を粘土で包む組合式木棺(くみあわせしきもっかん)など、新しい葬り方を柔軟に取り入れた北部九州の姿。
史跡データ
区分古墳群(記録保存)
時代古墳時代中期(4世紀後半〜5世紀前半)
調査1984〜1986年に発掘調査(福岡県教育委員会・古賀町教育委員会ほか)
構成円墳・方墳など。木棺墓・石棺墓・土壙墓(どこうぼ)が併存
おもな出土品
金銅製の耳飾り(第22号墳)金メッキを施した銅製の垂れ飾り。円い環にハート形の下げ飾りを付けた左右一対。
鉄剣・鉄鏃(第22号墳)全長73.5cmの鉄剣のほか、さまざまな形の鉄鏃(てつぞく)や鉄製の工具。
玉類(第26号墳)勾玉(まがたま)1点と、碧玉製(へきぎょくせい)の管玉(くだたま)多数。
円筒埴輪(えんとうはにわ)前段階の調査で出土。古賀市内では埴輪を伴う古墳は数少ない。
この史跡の意義
千鳥古墳群は、古墳の形がまだ一つに定まっていなかった時代に、さまざまな埋葬の方法が試された古墳群です。畿内(きない)の同じころの小さな古墳がほぼ同じ形にそろっていたのに対し、ここでは多様な葬り方が一つの丘に併存しており、新しい葬法を柔軟に受け入れた北部九州の気風を伝えています。第22号墳から見つかった金銅製の耳飾りは、朝鮮半島でも知られたハート形の下げ飾りをもつ様式で、当時の北部九州と海の向こうとの結びつきを今に伝えます。
千鳥古墳群の発掘調査の成果は、福岡県教育委員会の報告書『千鳥古墳群Ⅱ』(1987年)と、古賀町教育委員会の報告書『浜山・千鳥遺跡』(1985年)にまとめられています。
