船原古墳
宝を古墳の“中”ではなく“外”に埋めた——日本でここだけの謎。土の中から500点を超える、新羅(しらぎ)系の黄金の馬具が現れた、古賀市初の国史跡です。
この史跡について
現存長37.4m・復元すると全長45m以上の前方後円墳で、埋葬施設は巨石を積んだ横穴式石室です。最大の特徴は、副葬品の多くが石室の中ではなく、墳丘の外側に掘られた土坑(遺物埋納坑)に納められていたこと。ここから馬具・武器・武具・農工具など500点を超える遺物が出土しました。古墳の外側にこうした埋納施設を設けた例は、国内で他に確認されていません。2013年の調査で金色に輝く馬具が次々と見つかり、2016年に古賀市で初めての国指定史跡となりました。
- 副葬品を墳丘の“外”の土坑に納めた、国内で他に例のない埋納のかたち
- 土の中から500点を超える遺物が出土
- 新羅(しらぎ)系とされる金色の馬具など、当時の国際交流を物語る品々
- 「馬冑」「玉虫装飾」「ガラス装飾」など、国内初・国内3例目の稀少な出土品
- 2016年、古賀市で初めての国指定史跡に
史跡データ
指定区分国指定史跡(史跡名勝天然記念物)。古賀市で初めての国指定史跡です。
指定年月日2016年(平成28年)10月3日
時代6世紀末〜7世紀初頭(今から約1400年前)
墳形・規模前方後円墳。現存長37.4m、復元すると全長45m以上。
埋葬施設畳ほどの巨石を積んだ横穴式石室。奥と手前の2室からなる複室構造で、非公開です。
出土品馬具・武器・武具・農工具など総数500点超。多くは墳丘の外の土坑から出土しました。
おもな出土品
馬冑(ばちゅう)馬の顔を守るかぶと。全長48.5cm、6枚の鉄板をびょうでつなぎ、鼻先や目の上を立体的に加工しています。国内では和歌山・埼玉に次ぐ3例目です。
玉虫装飾の杏葉(ぎょうよう)馬の胸や尻に下げた飾りに、タマムシの翅を敷き詰めた装飾。馬具への玉虫装飾は国内で初めての確認で、2020年に公表されました。
ガラス装飾付きの雲珠(うず)・辻金具中央に鉛ガラス玉をはめ込んだ馬具の飾り金具。ガラス装飾をほどこした馬具は、国内初の発見です。
金銅製 歩揺(ほよう)付き飾り金具六角形の透かし金銅板から枝分かれし、その先に花びら形の薄い金銅板が揺れる構造。これまで類例のない品です。
この史跡の意義
出土品の多くは、朝鮮半島の新羅(しらぎ)系とされる最上級の馬具で、被葬者はヤマト王権と朝鮮半島の双方に太いつながりを持った、この地域の有力者だったと考えられています。墳丘の外に宝を納めるという埋納のかたちは国内初の発見で、古墳時代の葬送儀礼を考えるうえでも大きな意味を持ちます。奈良県・藤ノ木古墳に匹敵する、九州屈指の古墳時代後期の資料と評価されています。
